こんにちは、弁護士の橋本です。
今月青森市で行われたNHK交響楽団(N響)の公演を聞きに行きました。
普段テレビで見ているN響の公演が青森であると知ってすぐにチケットをとり、この数ヶ月楽しみに待っていました。指揮は広上淳一さん、ピアノは牛田智大さんの豪華共演でした。広上さんはときどきN響で指揮していますが、間近で拝見すると、ユーモラスな動きで楽しませつつ、演奏の方は「ザ・マエストロ」という風格でした。牛田さんは、3年前にも青森で沖澤のどかさん指揮・京都市交響楽団と共演した際の演奏が素晴らしく次の機会を期待していて、こんなに早くまた聴けるとは思いませんでした。
今回の共演はショパンのピアノ協奏曲第1番、ショパンコンクールの課題曲でもあり、私もCDやテレビ、ラジオなどで何度も聞いているおなじみの名曲で期待が高まります。この曲は、ピアノが入るまでしばらくオーケストラの演奏が続くので、どのように始まるのだろうと緊張していました。テレビで聴くN響も素晴らしいのですが、生で聴く演奏は圧巻でした。最初の音からして今まで私が聴いたことのある演奏とはレベルが違いました。静寂が楽器の音により破られるストレス、というものが全くない、耳にバイオリンの音が余りにも自然に入ってきました。これほど柔らかく入り込んでくる音色は初めてです。特に今回の第1番はとてもテンポがゆっくりでしたので、一層、深く染み入る感じでした。
しばらくして牛田さんのピアノが始まりました。この曲は、先にオーケストラで演奏した主題が繰り返されるようにピアノ演奏が始まるのでとても聴きやすく、私の大好きな曲です。牛田さんの演奏もまさに”聴かせる“ものでした。ピアノ協奏曲というと、ピアノがオーケストラを引っ張り全体として調和していく、というイメージを持っていたのですが、今回は、ピアノ、オーケストラそれぞれが主役で共に訴えかけてくるように感じました。穏やかなテンポで互いの魅力・実力を広上さんが引き出して聴かせてくれたように思います。フィナーレで、私の好きな広上さんの渾身の一振りが見られて、最後まで楽しく聴くことができました。演奏の素晴らしさは勿論ですが、牛田さんのピアノを弾く姿、立ち居振る舞いが、少し年齢を重ねた分優雅さも増し、会場全体を魅了していました。
2曲目はスラブ舞曲第1集、初めて聴く曲でしたが、パンフレットの解説によると、「ドヴォルザークを人気作曲家に押し上げた、オーケストラでは定番の人気曲」だそうです。ここでは、クラリネットの美しい独奏が響き渡っていました。ドイツやオーストリアを中心とする古典派、ロマン派と違い、ロシアの音楽は大地や自然を感じさせつつも、ところどころ郷愁を帯びており、日本人の琴線に響く部分があるように思います。全体としては明るく耳に残る主題が繰り返され、短い楽章が次々と続いていく曲調で、交響曲とは違った魅力的で楽しい演奏でした。アンコールもスラブ舞曲で演奏会後に知ったのですが、なんとなく前の曲と雰囲気が似ているなと感じていました。明るさを抑えた美しい曲で、演奏会を締めくくりに相応しいものでした。今回のN響の編成は少し小さめでした。いつか、NHKホールで大編成のN響を聴いてみたいと思いました。
