テレビドラマでも弁護士を扱ったものはいろいろありますが、普段、弁護士がどのような活動をしているかについて、あまりご存じでない方も多いと思います。
多くのテレビドラマでは、刑事事件をテーマとして扱っています。実際の弁護士の仕事は、刑事事件以外にもいろいろあります。私が弁護士のドラマを見ていていつも思うのは、「自分の日常とは随分違うな」ということです。
まず、一口に弁護士と言っても、活動の場や活動内容は千差万別です。ここでは、(自称)「普通の弁護士」である私が、普段、どんなことをして過ごしているか、紹介したいと思います。
私は、弁護士になる前に会社に勤めていた経験があるのですが、弁護士の仕事の特徴、大変さ、そして何より魅力は、仕事がバラエティに富んでいる、ということです。一言で言うと、毎日、やることが違います。ここでは、主に日中やることと、主に日没後や休日にやることに分けて説明します。
主に日中やること
- 法律相談(事務所相談と市役所などで行う出張相談があります。)
- 打ち合わせ、現地確認(主に裁判などの依頼のあった事件で、依頼者や関係者と行います。)
- 裁判所へ出廷(民事事件、家事事件、刑事事件、倒産事件などがあります。)
- 施設等に訪問して後見人を務めている人や施設の人との面会
- 委嘱を受けている行政の委員として会議に出席
主に日没後や休日にやること
- 裁判所等に出す文書の作成
- 警察署で捕まっている人と面会
- 弁護士会の委員会への出席(弁護士会館に出かけたり、事務所からテレビ会議で出席したりします。)
- 弁護士会の大会、協議会、シンポジウム、研修会、会議等への出席
- 依頼を受けた事件や事務所の経営についての検討
- ホームページ(青空カフェなど)の作成
割合としては、日中は法律相談や打ち合わせ、裁判所への出頭が多く、平均すると1日の半分くらいは外出しています。文書の作成や警察署での面会は、日中、なかなか時間がとれないので、主に夜間や休日に行っています。
こうして見ると、「ブラック企業!」と思われるかもしれませんが、決してそんなことはありません。
元来、弁護士は自由業ですので、仕事に支障がない限り、何時に来て何時に帰っても、いつ休んでも、外出しても、仕事中私用を済ませても、全てOKです。
実際、私は外出先で要件が済んだ後、事務所に戻る前に喫茶店に行き、コーヒーを飲みながら読書をすることもよくあります。週末に行われることが多い弁護士会の会合は、その後にだいたい懇親会がセットになっていて、全国の弁護士との交流の機会になりますし、遠方への出張は気分転換にもなります。
改めて振り返ると、仕事をしている時間は、会社員のころよりは随分と長い印象です。それでも、誰かに仕事や時間を管理されることもなく、自らの責任と裁量で進められることが、この仕事の大きな魅力なのだと思います。