青空カフェcafe

弁護士の出張相談

 こんにちは、弁護士の橋本です。

 5月に取り上げた司法過疎問題に関連して、今回は、弁護士による出張相談について紹介します。

 近年、弁護士が増えたことで、裁判所所在地(県内でいえば青森市、弘前市、八戸市、十和田市、五所川原市、むつ市など)における弁護士への相談は、以前に比べ、行いやすくなりました。また、比較的人口の多いこれらの市であれば、法律事務所に行かなくても、定期的に開かれている市役所等の法律相談会に行くことで弁護士に無料で相談できます。例えば十和田市役所や三沢市役所では、自治体相談と法テラス相談があって、それぞれ毎月3回、無料法律相談会が開催されており、私たち地元の弁護士が交代で出向いています。しかし、県内で裁判所のない市町村には弁護士がいません(三沢市は唯一の例外です)。しかも、こうした地域の多くは高齢化が進み、公共交通機関が十分ではありません。そのため、弁護士に相談するのが難しい人たちが多くいますが、予算の関係もあって、自治体等による弁護士の無料法律相談会はあまり開催されてきませんでした。

 そこで、平成24年から、十和田市、三沢市の近隣町村(六戸町、七戸町、東北町、おいらせ町、野辺地町、五戸町、新郷村)で、自治体・社会福祉協議会と連携して、弁護士による無料出張相談を行っています。合同で開催しており、お住まいの地域以外の相談会場でも相談できる仕組みにしています。最初、私一人で始めてみたところ、相談を希望される方がたくさんいることが分かったので、十和田市と三沢市に事務所のある弁護士に協力してもらい、一緒にやることにしました。今では、司法過疎問題に理解のあるほかの3つの事務所の弁護士が、手弁当で協力してくれています。相談会の名称について、「弁護士相談」「法律相談」というと、構えてしまって相談しにくいと感じる人もいると思いましたので、日頃困っていることをなんでも気軽に相談してもらいたい、という思いから「暮らしの相談会」としました。

 「暮らしの相談会」は年3回開催しています(3月、7月、11月)。今年は新型コロナウイルスの影響もあって開催できないところがありましたが、例年ですと、9会場で年間100件近い相談を受けています。内容は様々ですが、家族関係、相続関係、不動産関係の相談が多い印象です。

  私たちの抱えている悩みには、多かれ少なかれ法律問題が含まれています。また、悩んでいたことが相談をしたことで解決した、気持ちが楽になった、という声もよくお聞きします。些細に思えることでも、まずは相談してみてはいかがでしょうか。相談は予約制になっております。相談会の詳細については、各自治体または当事務所までお問い合わせください。