こんにちは、弁護士の橋本です。
弁護士が行う公益活動について、前回は民事介入暴力対策委員会(民暴委員会)による不当要求防止の取り組みを紹介しました。今回は私が弁護士になってから長く関わってきた法律相談センターの活動について紹介します。
法律相談センターは全国各地の弁護士会が設置するもので、かつては各地に法律相談を実施できる場所を設けて定期的に法律相談会を開催していました。県内では、青森市、弘前市、八戸市、十和田市、五所川原市、むつ市に相談場所があり、近くに法律事務所がない弁護士過疎地域では、法律相談センターの相談会は、弁護士に相談できる貴重な機会となっていました。近年、弁護士の数が増えて弁護士過疎の解消が進んだことから、限られた日に相談会を実施するのではなく、相談したいときになるべく早く相談できるようにした方がニーズに合っているだろうと考えられるようになりました。そこで、相談場所としての法律相談センターは廃止し、弁護士会で弁護士を紹介し、法律事務所で相談する形に変えました。これが現在、青森県弁護士会で行われている民事当番弁護士制度です。弁護士の数が多い青森市、弘前市、八戸市では、平日、毎日当番の弁護士を決めておりますので、午前中までに青森県弁護士会に申し込みをすると、その日の午後3時から5時の間に相談を受けられます。十和田市、三沢市、五所川原市、むつ市の弁護士に相談を希望される方は日程調整が必要ですが、それでも原則として3営業日以内には相談できるよう努めております。
また、2020年以降新型コロナウィルスの影響により実施出来ていませんが、青森県弁護士会法律相談センターでは日弁連と連携してイオンモール下田のイベントスペースをお借りして「街かど相談会」を実施してきました。これは、市民の皆さんに弁護士を身近に感じてもらうため法律相談用のブースを設け相談員の弁護士が買い物などでいらした方の相談に気軽に応じる、というものです。相談員の配置のほか、当日来場された方に配布するグッズの手配、法律相談の傍らで実施するイベントなどについて、法律相談センターの委員が企画運営に当たっています。
青森県弁護士会法律相談センターには約20名の弁護士の委員がいて、月1回程度集まって法律相談センターの運営について話し合っています。法律相談(民事当番)に関することだけでなく、日本弁護士連合会(日弁連)と連携した法律相談の認知度向上に向けた活動にも力を入れています。日弁連では、タレントの武井咲さんをイメージキャラクターとして広報活動を行っているほか、面白い法律アニメなども制作して市民の皆さんが気軽に悩みを弁護士に相談する気持ちになっていただけるよう努めています。日本弁護士連合会、青森県弁護士会のホームページを是非ご覧ください。
私は、最初に弁護士登録した仙台弁護士会で法律相談センターの委員となり、平成22年に青森県弁護士会に入会してからも委員としてこうした活動に関わり、今年から青森県弁護士会法律相談センターの委員長に就任しました。法律相談センターは市民の皆さんと弁護士をつなぐ大切な役割を担っております。困ったことがあってどこに連絡していいか分からないときに、身近に弁護士に相談できるような法律相談センターとなるよう取り組んでまいります。