法律コラムcolumn

法律コラム11 「所有権の登記手続」

以前、ある人から土地を買い、代金は支払ったのですが、今日まで登記の名義を自分に移転していませんでした。どうすればいいでしょうか。

登記の名義は、自分がその不動産の所有者であることを公的に証明するために重要なものです。登記の名義を自分に移さないままにしておくと、将来、その土地の上に建物を建てたり別の人に売ったりするのが難しくなることがあります。また、そのままでは自分が亡くなった後、自分の相続人の名義にすることもできません。
前所有者と共同で、所有権移転の登記申請を法務局で行い、登記名義を自分に移しておきましょう。

所有権の移転登記申請にはどのような書類が必要になるのでしょうか。

代表的なものとしては、登記申請書、売買契約書、売主の権利証及び印鑑証明書、買主の住民票、不動産の評価証明書があります。事案によって、これら以外の書類が必要になることもあります。

前所有者が登記の名義移転に協力してくれないときにはどうすればいいでしょうか。

訴訟で所有権の移転登記手続を命ずる判決を得ることによって、前所有者の協力がなくても単独で登記手続を行うことができます。

前所有者が亡くなっているときはどうすればいいでしょうか。

その場合には、前所有者の相続人と共同で所有権移転登記の申請を行います。 相続人の協力を得られないときには、相続人を相手方として訴訟を提起し、相続人に対して所有権の移転登記手続を命ずる判決を得て単独で登記手続を行うことができます。