法律コラムcolumn

法律コラム10 「筆界特定制度」

隣に住む人と土地の境界のことで揉めています。
最近になって、長年私が私の土地だと思って使っていた場所に、隣の人が物を置き始め、そこまでが自分の土地だと言い始めました。もともとの境界線がどこだったのかについて争いになってしまいましたが、何かいい解決方法はないでしょうか。

筆界特定制度を利用するといいでしょう。「筆界」とは、ある土地が登記された時にその土地の範囲を区画するものとして定められた線、つまりその土地が他の土地から分筆されるなどして最初に登記された際に隣接地との境界線とされた線のことです。筆界特定制度はこの「筆界」を現地において特定する制度です。

筆界特定制度を利用すると、どのようにして「筆界」が特定されるのですか。

筆界調査委員という専門家が土地の実地調査、測量などさまざまな調査を行ないます。また、関係する資料を検討し、当事者の意見も参考にしつつ、法務局の筆界特定登記官に意見書を提出します。
筆界特定登記官は、この意見書の内容を踏まえ、隣接する土地の「筆界」を、図面を用いて特定します。また、特定された「筆界」を示すため、現地には杭など目印となるものを設置します。

筆界特定制度を利用するためにはどうしたらいいでしょうか。

対象となる土地を管轄する法務局の筆界特定登記官に対し、筆界特定の申請書を提出します。申請書には、対象となる土地と関係する土地の所在、それぞれの土地の名義人、筆界特定を必要とする理由、当事者双方の言い分などを記載し、土地の登記事項証明書や地図などの関係資料を添付します。

筆界特定について詳しく知りたいのですが。

筆界特定の申請先の法務局(登記所)で問い合わせに応じております。
当事務所でもご相談いただけます。