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秋祭り

 こんにちは、弁護士の橋本です。

 今回は、十和田の秋祭りの紹介です。

 私にとって子どものころの祭りの思い出といえば、近所の氷川神社で、法被を着て神輿を交代で担いだことが1度あったくらいです。小さな神社で、神輿がそのあたりを一回りしていました。神社の境内にリンゴ飴と型抜きの店があったことを覚えていますが、ほかにはほとんど記憶がありません。

 私は、十和田に来る前に仙台で6年ほど暮らしたことがあります。8月上旬、仙台では七夕祭りがあります。一番町通りを華麗に彩る七夕飾りが風に揺れる下を歩くと、さとう宗幸さんの青葉城恋歌が聞こえてくるような気がして思わず口ずさみたくなります。この季節、盛岡ではさんさ踊り、秋田では竿灯祭り、山形では花笠祭りなど東北各地で夏祭りが開催されます。そしてなんと言っても青森はねぶた祭り、だけでなく、弘前ねぷた祭り、五所川原立佞武多、八戸三社大祭、黒石ねぷた祭り、むつ田名部祭りなど8月は県内各地でお祭りがあります。ねぶた祭りは全国的にも有名で以前から知っていましたが、ほかの祭りは青森に来て始めて知りました。私が見たことがあるのは青森ねぶた祭り、五所川原立佞武多、八戸三社大祭です。どれも豪華な山車が魅力です。東北、青森の祭りはスケールが大きく、初めて見る人は圧倒されることでしょう。

 私が暮らす十和田の秋祭りは、東北各地の夏祭りが終わった後の9月上旬、週末の3日間で開催されます。知名度ではねぶた祭りに及びませんが、私は十和田の秋祭りが好きです。今年4年ぶりに本格開催となった十和田の秋祭りをまだ見たことのない方のために紹介します。

 「十和田市最大のお祭りである十和田市秋まつりは、幕末の三本木原開拓の時代から豊作祈願の祭りとして始まり、豪華絢爛な山車や見事なバチさばきの太鼓車が市内を練り歩きます。中でも官庁街通りでの夜間運行は、秋の夜空にライトアップされた山車や太鼓車、神輿がきらびやかに浮かび上がり、囃子方のかけ声とともに躍動感溢れる祭りを盛り上げ、沿道の観客の心を熱く魅了します。」(十和田商工会議所HPより)

 祭りの日が近づくと、夜、仕事の帰り道にどこからともなく笛や太鼓の練習の音が聞こえてきて心が弾みます。

 祭りの初日の金曜日は十和田市内の小中学校が休みになります。祭りに参加する子ども達が大勢いるからでしょう。山車に参加しなくても、学校が休みなので、昼ころから多くの子ども達が官庁街を歩いて道の両側に100件近く並ぶ屋台での買い物を楽しんでいます。私も毎年この3日間はお祭りメニューを楽しんでいます。ちなみに屋台は、地元の店(生地がほんのり甘い十和田のたこ焼きとチョコバナナが人気です)が少々、西日本からはるばる来た店が多く、定番の焼きそば、お好み焼き、唐揚げ、人形焼きなど盛りだくさんです。そしてなぜかトルコ料理のケバブ(一時期人気で3店くらい出ていました)やインドカレーなどもあり、私も好きでよく食べています。

 祭りのメインは山車の運行です。市内各町内会の豪華に飾った山車が10数台、市内を練り歩きます。とくに土曜夕方からの夜間運行が美しく素晴らしいです。山車は昔話や伝承、伝説をモチーフにしたものが多く、町内会の子どもや若者たちが山車に乗って笛や太鼓のお囃子で盛り上げます。その山車を、大人と子どもが一緒になって引きます。

 十和田の秋祭りの魅力はなんと言っても郷愁を誘う笛や太鼓のお囃子です。祭りでは各地で様々なかけ声やお囃子がありますが、私は十和田のお囃子が一番好きです。十和田も県内の他の地域と同様、学校を卒業すると、進学、就職のために県外に出て行くたち若者たちもいます。それでも、子どものころお祭りで耳にした囃子の音色は心に残り続け、何かのときに郷里を思い出し、帰ってくるきっかけにもなっているのだろうと、県外出身の私はしみじみ思ったりします。

 祭りが終わると晴れた空にいわし雲が広がり、気温が一気に下がります。1月前まで夏だったことをすっかり忘れてしまいます。秋祭りは十和田に本格的な秋の訪れを告げる風物詩でもあります。