法律コラムcolumn

法律コラム9 「不動産登記制度」

先月自宅を新築しました。不動産の登記が必要と言われましたが、どのような制度でしょうか。

不動産の登記は、表示に関する登記と権利に関する登記があります。
表示に関する登記とは、どのような不動産なのか(不動産の物理的状況)を明らかにするためのものです。たとえば建物の場合には、どこに建っていて(所在)、建物の種類は何で(居宅、車庫など)、どのような構造か(木造か鉄筋コンクリート造か、平屋建か2階建かなど)、床面積はどれくらいか、といったことを登記します。建物を新築した場合には1ヶ月以内に登記を申請する必要があります。
権利に関する登記とは、誰が所有する物件なのか、金融機関などの担保に入っているのか、といった物件の権利関係に関する事項を明らかにするためのものです。

不動産登記制度は何のためにあるのですか。

不動産は、そこで生活したり事業を営んだりするなど、数ある財産の中でも特に重要なものです。たとえば、自分の不動産を誰かが勝手に使っていて返還を求めようと思えば、この物件は自分のものであると言わなければなりません。また、第三者に売却したり、物件を担保に借り入れをする際には自分の所有権を証明することが必要になります。このようなとき、前もって法務局で登記しておくことで所有権があることを容易に証明出来るようにするために設けられたのが不動産登記制度です。

どのようにして登記の申請をすればいいのでしょうか。

登記の申請は、対象不動産を管轄する法務局(登記所)に当事者が申請して行ないます。
表示に関する登記を申請する場合には、登記申請に先立ち土地や建物を測量し、必要な図面を作成します。
また、権利に関する登記を申請する場合には、権利を証する書面が必要になります。住宅ローンを組んで建物を新築した場合には、所有権の登記のほかに併せて抵当権の設定登記も行います。