最近、民法が改正されたと聞きました。そもそも、民法とはどのような法律でしょうか。
民法は、日本が近代国家として歩み始めた明治時代に、ドイツやフランスなどの民法も参考にしつつ、近代的個人主義的な思想を取り入れる形で制定されました。戦後、日本国憲法において、個人の尊厳と男女の本質的平等の大原則が掲げられたことで、家族関係を定めた部分が全面的に改正されました。これにより、家督制度などの封建的な制度が廃止され、その後、何度かの改正を経て今日に至ります。
民法は、1044条からなる大法典で、基本的な権利関係、契約関係、家族関係、相続関係などを定めた、私たちの日常生活において最も重要な法律の一つです。
今回の改正にはどのような意味があるのでしょうか。
今回の改正は、民法制定以来の社会・経済情勢の変化に対応しつつ、これまでに蓄積された裁判例を明文化して、国民にとって分かりやすい民法を目指したものです。
改正項目は200を超えており、民法制定以来の抜本的改正といえましょう。
いつから施行されるのですか
平成29年5月26日に改正法が成立しました。準備期間もありますので、3年後の2020年ころに施行されるといわれております。
私たちの生活に影響はあるのでしょうか
大いにあります。
一例として、近年利用が急増しているインターネット通販などで用いられている「約款」について、これまで民法に規定がなく、「約款」が契約内容に含まれるかどうかで争われることがありました。今回の改正では、条件を満たしたものについては「約款」で定められた個別の内容について、利用者も合意したものとみなされることになります。
具体的な改正内容について、次回、更に詳しく解説します。