法律コラムcolumn

法律コラム7 「空き家問題」

最近、私の家の周囲に空き家が増えてきました。

総務省の統計によると平成25年10月時点で全国に820万戸の空き家があるとされており、そのうち318万戸は管理が行なわれず放置されていると見られます。空き家は今後、高齢化の影響などでさらに増えていくと懸念されます。
空き家が増えると、老朽化による倒壊の危険、景観や衛生面、治安の悪化につながります。

例えば1人暮らしの方が亡くなって、その方に相続人がいないために自宅が空き家になってしまった場合には、どのような方法で管理すればいいのでしょうか。

このような場合には、利害関係人の請求により、家庭裁判所に相続財産管理人の選任を申立てて管理人に管理を委ねる方法が考えられます。申立てにあたっては、予め、どのような管理が必要か、申立てや管理にどのくらいの費用がかかるのか、最終的にどのような形で処分してもらうのか、といったことを考えておく必要があります。

前に住んでいた人が出て行ったまま帰ってくることもなく放置されている家についてはどうでしょう。

まず、所有者が誰かを調べる必要があります。家は所有者の財産であり、また、所有者には家を適切に管理する責任があるからです。どうしても所有者による管理ができなければ、利害関係人の請求により、家庭裁判所に不在者財産管理人の選任を申立てて管理人に管理を委ねる方法が考えられます。

行政による対応は可能なのでしょうか。

平成27年に空家対策特別措置法が施行され、市町村長に調査及び立入りの権限が与えられました。そして、「そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態」などと判断されれば、所有者等に対し、指導・助言、勧告、命令、行政代執行といった措置がとれるようになりました。